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日常の喜怒哀楽を写真付きで綴るエッセイ

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主婦の緊急修理とは

本日のお客様のご依頼内容では「電気スタンドを3時間以内に修理してください」と、かなりお急ぎである。

お客様は、詳しい状況をまったく話さずに「とにかく急ぐから早く来て」とだけ言う。

こちらとしては、詳しい状況を知らないので「新品買った方が安いですよ」と親切に応対するものの、お客様は「買ったら3,000円位なのは知っています!!」と言い、どうしても来てほしいとの事なのでとりあえず行ってみることにした。

「こういったお客様は、結構コワイ(精神)方が多いので最大限の注意が必要となる.......」

閑静な住宅街にある現場宅、お客様は何のことなく普通の方であった。

だが、修理してほしいと言う電気スタンドを見てビックリした!!

なんとそれは教材用の15w型の電気スタンドなのである。

本当の教材用で、ただ電線をハンダ付けすれば完成といった単純なキットなのだ。

小学生の教材用として販売されており¥2,000- 程度で十分購入できる品物なのである。

まあ、とにかく、配線チェックをしてみると原因は瞬時に解明した。

ただ単純に、ハンダ付けが悪くて導通していないのが原因で、業界用語ではこの現象を「てんぷら」と言い、ハンダが「ころも」の様にかぶさっている事でおこる電気の接触不良である。

この接触不良の場合、ハンダをきちんと仕上げれば修理は完了する。

私はプロ。ハンダ付けは、とにかく上手い。

楽勝じゃん!と思ったがお客様の要望では「素人(お客様)が作ったように仕上げて下さい」と言う。????

しかし、このお客様は、とにかくハンダが下手すぎる。

このようなハンダ付けは、私が小学校4年生にもどらないとできない...

(素人仕上にしなければいけないのだ.....困った....)

お客様の「要望」を実行するのが私の仕事であるため、精一杯の努力をし通常のハンダ付けに要する時間を4倍かけ何とか「素人仕上に成功」することができた。

今回の作業は、困難をきたしたがうまく作業終了。

お客様との話しの中で、最初は子供の工作宿題なような事を言っていたが、話していると本人の物であることがわかった。

近所の主婦仲間で、ガーデニングや、このような工作物を作り、暇な時間を過ごしていてる「ご近所サークル」の課題(宿題)だった。

そして、本日の午後「電気スタンド披露の集まりがあり、どうしても、今完成しなければならない」と最後に正直に私に話してくれた。

たかが、2,000円のキットで、修理料金を支払う事になるが、何とか時間内に間に合った事の方が重要で、とてもとても感謝してくれた。(こういう場合、料金設定が非常に難しい)

このお客様は「出来ない」と言えない方なのだろう。

20世紀に『くたばれ主婦』と言う本がヒットしていた、個人的には肯定派なのだが、このようなくたばれ主婦は、当社にとっては「大事なお客様」なのであった。

最後に、コワイ(精神)方じゃなくて良かった。

「摩訶不思議」は、昔し昔しの話しである。

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