「達の記録館」サブの表紙

日常の喜怒哀楽を写真付きで綴るエッセイ

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非常ベルを鳴らせ!

今さら言うまではないが、私は「いらんことしい」である!

小学生の頃からクラスに1人は居た、生コンクリートを見ると警備員が見てようが構わず踏んづけ足型をつけたり棒を立てたりする奴だった。

現在37歳ながら、街中で「さわらないで下さい」などと書かれてある物を見るとつい好奇心から触ってしまい美術品やらを壊すといった事をしてしまう。

この前のこと、相方と私で久々に「西鉄バス」で天神に買い物に行こうと考え、天神行きのバスの「最後部」に乗り込んで走っていた。

西鉄バスブゥーブゥー

すると、途中からウリャァ~っと雨が降り出し、だんだん車も多くなって渡辺通り1丁目交差点前で渋滞が激しくなりダラダラ走行することになった。

雨で湿度が高いのに次から次に乗客は乗ってくるし、満員に近くなったら乗客の息でガラスが曇りかけてきて景色もよく見えなくなってきた。

うぅ~ うっとうしいな! 息苦しいかぁ~

渋滞で暇かぁ~! なんか気分転換をはかるものはないっちゃろうか!

携帯メールしようにも相手もおらんしくさ!

前に座っとるオヤジの頭はなんかクサイっちゃんね!

ってなことは思っていたが、最後部で相方と大人しく座っていた。

するとだ。

んん? 私の斜め右前に赤いボックスがあるではないか!

非常の場合はこのカバーの丈夫を引きハンドルを横に回してドアをあけ座席を前に倒してください。(下の写真参照)

私は西鉄バスに始めて乗った訳でもないし、バスの後部には非常口があって緊急な時には、開けて逃げられるようになっている事は知っている。

非常時以外は触ってはいけないことは、小学生でも知っている!

非常口

あぁ~、暇じゃ暇じゃ なんか面白いこと無いのかよ~

このカバーを外しハンドルを回して出て行けたら楽しいだろうな!

っとは思ったものの、前の座席を倒すと言っても前の座席には人が座っているし、さすがの私でも、そんなことはしない社会的に常識ある男である。

当然だ!

しか~し、次のバス亭にやってくると前に座っているお客が降りていこうと座席を立った。

私は何を考えたか......

よっしゃ!

これで前の椅子が倒せるぞ!

チャンス!と思った瞬間。

おもいっきり写真にある真っ赤なカバーを外していた。\(^o^)/

自分のことながらよく覚えていないが、とにかく、私はこんなことをやってしまう。

リリリリリリリリリ・・・・・・

っと前部から、電子音じゃなく、非常ベルの大音量が鳴り響いた!

(この非常ベルは、マンションや学校で鳴る非常ベルと同じ音量だった)

カバーを外すだけで非常ベルがなるのね・・・・

ヒェェェェェ~

っと思った瞬間、西鉄バスは急停車!

慌てる乗客と運転手は何ごとが起きたんだ!

事件か事故か!

生命に関わる危険なのか!

っと大音量が鳴り響くバスの中で乗客は大騒ぎしていた。

(私は最後部に乗っているので、その状況は一目瞭然だった)

やってもうた・・・・

するとバスの運転手は最後部座席(非常口)を見に来ようとし、私と視線が合った瞬間、運転手は固まってしまった。

私の左手には、まっ赤なカバーが握りしめられているのであった。

運転手の視線と私の視線が合った。

ありゃま・・・

運転手は固まったままで、私を見ているだけ....

私も固まってしまって、運転手を見ているだけ....

こりゃ気まずい。(・_・;)

ーーーーー バス中、沈黙 ーーーーー

すると、私の隣で一部始終を見ていた相方は私に怒鳴るのであった。

あんた、何てことばしようと!

あんたバカやないと! 早よ蓋ば戻しいよ!

そう言われ、私は我に返り蓋を戻そうとする。

しかし、この蓋ってのがなかなか簡単に戻らない訳で、多分設計上において人が当たったり、強い振動でも外れないような設計ななされているのだね~。

さすがだぜ西鉄バス。←そんなことはええけど

どんな引っかけで蓋が閉まるのか、どこにバネがあるのか?ってな構造を見ながら閉めようとしていたら、さらに相方が怒るんだわ。

なんばしようと早よ蓋ば戻しいよ!

じゃかましい、そう言わんでも戻すけん黙っとれ!←恐くて言えんがの

そして電気エンジニアの私にハッキリ理解できたのが、蓋を開けると底にはリミットスイッチの接点があって、 解放すると電気的にシーケンス回路のa接点リレーが作動し24ボルト用の巻き線がフレミングの法則で電磁誘導し鐘を叩きベルが鳴る仕組みなのである!(そんな解説はいらんっちゅ~の)

あ、いかんいかん、早く蓋を閉めないとベルが鳴りっぱなしや!

私は精一杯、エンジニア精神を発揮し蓋をキッチリはめたら、非常ベルは鳴り止んだ。

どうだ、私の素早い行動は?(しかし最低30秒は鳴っていたな)

鳴り止んだので、ホットして前を向いたらば!

運転手、乗客一同、私を睨んでいた! (-_-゛) (-_-メ) (-"-)

誰も一言も言わず、こんな顔して睨んでいるだけなのじゃぁ~!!

ギョェェェェ~

恐いよぉ~お母ちゃん!

すると相方は座席を立ち前方へ向かって運転手、乗客一同に「すいませんでした」「ごめんなさい」と大きな声で何度も何度も謝るのだ。

相方が謝るもんだから、私も続いて「 すいませんでした」「ごめんなさい」と何度も謝りました。

わしゃ~ 最低な大人なんじゃ~

しかし、悪いことをしても、ちゃんと謝るんだから常識人と言えようぞ!

ここで好感度アップしたな... なんか変かい?

そして急停車した西鉄バスは、何事も無かったかのように走りだした。

走る車内で私は相方に睨まれながらこんな会話がなされた。

相:あんた、何で非常口を開けようとすると!

私:だって非常口を開けてみたかったっちゃもん。

相:バカやないと!

私:でもハンドルは回さんやったもん。

相:あたり前たい!

私:・・・・・・・・・・・・

相:本当、いらんことしいやね!

私:・・・・・・・・・・・・(おっしゃるとおりです)

相:大人しく座っときいよ!

私:はい

そして目的地のバス亭で停車

私らはバスを降りる際、運転手に深く深くお詫びした。

しかし、運転手さんは何も言ってくれなかった。

やっぱりね....

私は皆様に、人生と経験と心を込めて言いたい!

あのカバーはベルが鳴るから非常の時以外は外しちゃダメだね!

西鉄バスさん乗客の皆さん、たつ37歳心から反省した。

ほんじゃ、またどこかで.......

2001年6月2日 記録

喜怒哀楽は、作者たつの考えを自己中心的に書き綴るものである。

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