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日常の喜怒哀楽を写真付きで綴るエッセイ

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海外旅行に持って行くと安心な3種類の腹痛薬は?

 はじめに、海外旅行で心配なのは第一に治安のことで、その次にくるのは病気などの健康面ではないかと思います。

 治安についてはどの国であっても自身が十分に注意すれば安全に過ごせますが、健康面、特に東南アジア圏(タイ、フィリピン、インドネシア、ベトナムなど)での旅行では、水を飲んだり食事を摂ったりすることで、黄色ブドウ球菌、病原性大腸菌、サルモネラ菌、腸炎ビブリオ、カンピロバクター、ウェルシュ菌などの細菌に感染し腹痛や下痢など引き起こす可能性が高く、せっかくの楽しい旅行が台無しになることも多いです。

 そこで、東南アジアへ旅行によく行かれる医師や薬剤師に注意点を含めてプロが持って行かれる「海外旅行で細菌から身体を守るための常備薬」を聞いてきました。

※ウイルス性感染については病院で入院治療等をしなければいけませんので、ここでは一般的な下痢や腹痛などの食中毒症状のみ取り上げます。

アジア旅行によく行かれる医師・薬剤師さんより

 まず生水を飲まないことが上げられますが、生水を飲まなくてもグラスに入った氷には腹痛などを引き起こす細菌が入っていますので注意が必要です。そこで氷抜きにすれば大丈夫かと言えばそうではなく、そのグラスを洗った水に細菌が付着していることから単純に細菌の数が多いか少ないかだけになります。

 また十分に火を通した食材であっても、食器自体に細菌が付着していると考えてよく、清潔なレストランであっても噴水や川沿いでは"しぶき"が風に乗って飛来してきますし、湿度の高い場所でも同じことなので50歩100歩というところです。厳密に防ぎようがありません。

旅行前から腸内細菌を整えておく

 人が持っている免疫力によって細菌には対抗しますが、身体が疲れたりすると急激に免疫力が低下し腸内では善玉菌より悪玉菌が増えていきますので、それを見越して旅行の数日前から腸内細菌を整えておく必要があります。

お薬としては朝昼晩の3回ビオフェルミンを飲んでおくのが効果的です。ビオフェルミンはヨーグルトと同じ乳酸菌で腸にまで届きますから旅行へ行くときだけでなく日頃から飲んでおくのも良いです。

下痢や胃痛になった場合

 どれだけ下痢をしても下痢止めを飲んではいけません。下痢を止めると細菌が腸内に留まることになります。逆に排出さなければいけません。

 また下痢を起こすと平常より40倍も水分が抜け脱水症状になってしまいますので十分な水分補給をしてください。ポカリスエットなど体内への水分補給が早い飲料が望ましいです。

最低限持って行くお薬

 医師や薬剤師が必ず持って行く3種類のお薬がこれです。

腹痛薬/ビオフェルミン、クラビット、ブスコバン

ビオフェルミン

★医薬部外品:ご近所の薬局やコンビニ等で入手可能です。

胃酸に耐えて腸まで届く3種類の乳酸菌で悪玉菌を抑えます。

小腸でフェーカリス菌が腸内バランスの乱れを修復し、アシドフィルス菌によって有害な悪玉菌を抑制。ビフィズス菌は大腸で整腸効果を高めてくれます。[ポイント]ビオフェルミンは善玉菌を助ける薬で下痢止めではありませんので大丈夫です。また胃腸薬ではクラビットやブズコバンの効能を抑えてしまいます。胃腸薬は食べ過ぎや胃のもたれなどの場合にのみ服用します。

クラビット 500mg

★医師による処方箋が必要です。

ニューキノロン系経口抗菌製剤のクラビットは抗菌活性が強くグラム陽性菌、陰性菌、クラミジア、マイコプラズマ、レジオネラという細菌にも有効で、感染した細菌を死滅させる日本国内でもっとも使われる抗菌剤です。腹痛が治まっても細菌が残っている可能性がありますので最低1週間は飲み続ける必要があります。

ブスコバン 10mg

★医師による処方箋が必要です。

抗コリン剤で、鎮痙作用、消化管運動抑制作用、胃液分泌抑制作用、膀胱内圧上昇抑制作用などがあり、消化管、尿路や膀胱などの筋肉のけいれんや過度の緊張による痛みを抑えてくれます。

その他に鎮痛剤(解熱剤)などを持って行っても良いです。よほどの国でない限り現地の薬局でも(誰でも商品名を知っている世界的に有名な鎮痛剤を)買えますし、飛行機ではCAさんにホテルではスタッフに言えば貰えますのであまり心配いりません。

クラビット、ブスコバンは医薬品です。

医師の指示に従い用量用法を正しく守って服用して下さい。

医師による処方箋が必要です

 クラビット、ブスコバンは医師の処方箋がないと入手できません。しかし、かかり付けの医師や近所の内科医院で、例えば、例えばですよ「先日、海外旅行から帰って来てから凄くお腹が痛くなってしまいました。できたらコレとコレを下さい」と薬剤を指定すると処方してもらえるかも...(濁しておきます)

旅する前にこの薬を貰っておいて海外旅行へ行かれると安心です。

矛盾していますが、くれぐれも「詐病」はいけません。はい。

現地空港での対策

現地空港の職員によっては「この薬は何か説明してください」としつこく言われこともありますので、そのことを想定して薬局から貰った「お薬の説明書」か「おくすり手帳に貼付けるシール」をお薬と一緒に入れておきましょう。

現地でかなり酷い状態になった場合

 当たり前ですが病院での処置が必要です。しかし、外国での入院や治療費は驚くほど高いようですから海外旅行保険に加入した上で安心して出掛けましょう。

 ちなみに、海外旅行保険は旅行会社から直接加入すると保険料が割高になりますのでインターネットで検索して保険に加入しておくことをお勧めします。

番外編(インドネシアの不思議なお薬)

 薬剤師さんがインドネシアに面白いというか、不思議なお薬があると言っていましたので、2013年に相方(家内)がインドネシア・バリ島に行った際、お土産で買って来てもらいました。

NORIT/ノリット(ノーリツ)

 現地ではそこそこ有名なお薬 NORIT(ノリット またはノーリツ)。40錠入っていて日本円で約120円で薬局で購入できます。

見てのとおり錠剤は真っ黒で手に黒い粉が付きます。

それもそのはず主成分が『炭』で出来ているからです。

 日本でも、ご飯のお釜に炭を入れて焚くと美味しくなる。炭を室内に置いておくと空気が浄化されキレイになる。冷蔵庫や靴箱に炭を入れておくと嫌な匂いがしなくなる。花瓶に炭を入れると花が長持ちする。水道水に炭を入れておくとカルキが飛ぶ。汚い水でも炭を通すと浄水されて安全に飲める。などなど、どこまで効果があるのか不明な部分も多いところですが、インドネシアでもそれと同じく「胃袋に炭を入ると悪いものを吸着して身体全体がキレイになる。だから腹痛も治るのさ」との理屈が成り立っているようで、食中毒などの雑菌やウイルスでも炭が吸着して便として排出することができる万能薬とされているようです。確かに炭の効果は一理あって妙に納得してしまう部分もありますが、医師や薬剤師に聞くまでもなく炭ではなかなか治らないと思います。

 一応、薬のNORITの説明書スキャン.GIF画像別ページには6〜9錠を1日3回でも、現地の方々は症状の度合いによって何錠飲むか自分で決めるようです。

ちなみに、NORITを見かけたら治るか治らないかは置いといて旅ネタとして買ってみましょう。ガリガリ食べると1錠で口の中が真っ黒になります。かなり面白いですよ。甘い味なので同行者に食べさせて写真を撮るなんてイタズラもアリです。(^_^;)

まとめ

 言葉の通じない現地の薬局やホテルの従業員さんに、お腹が痛くて我慢できないというジェスチャーと表情をすれば腹痛薬なんて現地調達できるからね...なんて甘く考えてはいけません。出された薬はこういった「炭」かも知れませんので、やっぱり現地で調達するより日本から確実なお薬を持って行かれた方が安心です。

それでは皆様、腹痛のない楽しい旅をされてください。

2014年4月4日 記録

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