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日常の喜怒哀楽を写真付きで綴るエッセイ

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これは1980年代後半に某有名雑誌に掲載された「中央青年団、背振山でのお風呂づくり」をレポートした貴重な記事です。2021年(令和3年)に複写したものを見つけましたのでHTML化(Web用)にして公開します。

やっぱり中央青年団さん、やることスゴかぁー!! 爆笑です!!

それでは本文をどうぞ...

中央青年団・ギャル・バスツアー

中央青年団 副団長PRESS 渡部圭子

遊ぶことならまかせなさいとハチャメチャ集団”中央青年団”が山の中でお風呂づくりに挑戦。

これが究極のアウトドアだ!!

究極のアウトドア。中央青年団の手作り露天風呂

最初に中央青年団とは何たるかを語った方がいいだろう。決して変態の団体ではなく、福岡市中央区の青年団でもない(但し、主要メンバーの殆どは中央区に勤務はしているが…)。実は、健康維持推進・体力補強のため週2回(火、金)福岡市中央体育館へ通い、ストレッチと場内及び大濠公園のジョギングをフルコースとしたトレーニング活動を行っているグループがそれである。

 主要メンバーの職業は、公認会計士、広告企画制作、店舗設計インテリアディスプレイ、マンションメーカー、CMプランナー、デザイナー等種々雑多である。

広告屋がいることからネーミングを決めようかという話が持ち上がり、即! いくつかのネーミングを寄せられ、コンセプトは思いっきり臭いのが良いという意見が一致し、「中央青年団」に最も多くの票が集まった。

ネーミングが決まれば、マークも決まり当然のようにTシャツまで出来上がってしまった。右手に焼酎、左手にグラスを持って走るスポーツマンがトレードマークである。

ほどほどに働いてほどほどに遊び、酒をおいしく呑む、というのがおぼろ気にある基本ポリシーである。

ないのは「掟とお金」。年令、性別、職業、宗教、趣味、国籍、美醜、貧富、能力、未婚既婚を問わず、規約もなければ制約もなく、実体もなく、ただただ一緒に遊びましょうや!!と呼びかけ、その時に来た人と遊んでしまうだけのグループなのである。といっても中央青年団の目玉イベント、オジンピック(運動会)などは3年連続で実行したが、平均150人からの参加者(北九州、筑豊からも)があったから馬鹿にしたものでもない。

大運動会の他には、バスケット大会、ボーリング大会、ソフトボール大会、クリスマス・パーティー、ねるとん青年団… バラエティーに富んだイベントで友達の輪を広げては喜んでいる。

 メンバーの呼び方は殆どがニックネームで上下関係なく皆平等である。会長、村長、団長、師匠、ハスラー、キーちゃん、マタちゃん、酒ドロボー、後家殺し、etc…見れば納得のいくニックネームばかりである。主要メンバーはいずれ劣らぬ強者、ユニーク人間ぞろいで、当然それに群がる友人の輪も奇人、変人揃いで皆、自分だけはマトモだと思っている。

 今回ご紹介する「ギャル・バス、ツアー」は中央青年団のイベントの中でも1・2位を争う抱腹絶倒ものの極みである。中心メンバーの自然をこよなく愛すアウトドア精神と職業柄、クリエイティビティに富んだ発想と博多の男の山笠的行動力が生み出した新しい遊びとでも申しましょうか、おかしかったら…オ・ナ・グ・サ・ミ!!

但し、皆様が実行される場合は後始末と火の用心、よろしくお気を付け下さいますようお願いいたします。

 そもそもこのイベントは団長と後家殺しと会長あたりから盛り上がってきた。いつもトレーニングの帰りに立ち寄る居酒屋で団長が言った「山に行って風呂ば作ってギャルと入るばい」の一言が事の始まりで、ホロ酔い気分の帰路の途中、団長の発想はいつも立体的なものだなぁ、などとグラフィック屋の私は感心した。

しかし、中央青年団でも、この企画は無理だろうと思ったのは事実である。

ところが、驚いたことに次のトレーニングの帰り、団長は図面を持って居酒屋に現れたのである。それは断面図で男が風呂に入り1段、.段差のある部分に腰かけ、湯船にトックリを乗せた盆を浮かせ、おちょこでいっぱいやっている。「ム、本気だな」と思う。いつも酒の席から湧き上がってくる発想を膨らませては実行する怖いもの知らずの中央青年団…その頭目であるところの団長の行動力とバイタリティーは凄い!! 「するばい」と言ったら、そのイベントは80%位は成功したようなものだ。

 ときはこともあろうに11月第一日曜日と決まった。詳しいことも聞かぬままお祭り気分だけで参加する。ところは背振ダムの奥の小さな川、待ち合わせ場所は早朝5時に南畑ダムである。

 薄暗い中から1台、また1台と仲間の車が集まってくる。赤いランクル、白いランクル、木目のセドリック、紺の◯◯◯◯ (車名を忘れた)、オレンジラインのダットラ、白い乗用車、今日の参加メンバーがそろったところで、いざ出発!

目的地に着くと自然に役割分担が決まる。屋久島で生まれ育った自然児のケンさんと後家殺しは山芋を求めて山へ、女・子供は薪拾いに山へ行く。簡易手動穴埋め式トイレも出来た。ついたてもあり、用を足した人はそのそばのスコップで埋めて帰るというシステムだ。釣師の会長は釣り場を求めてただウロウロ。大量グループ料理なら任せとき! のマタちゃんは本日のメニューであるキムチ鍋の準備の指示で忙しい。

福岡・中央青年団・石を焚き火で熱くして(焼石にして)を露天風呂に入れる

▲橋の向こうに風呂を堀り、手前の焚き火から石を運ぶ

 さて、ギャル・バス製作班は橋の下の砂場を見つけて、掘り下げ作業にとりかかる。まず、穴を掘りビニールシートを敷き、そこへ川からダクトで水を流し込む。水がたっぷり入ったところで木箱を浮かせ、その中に焚き火の中から取り出した焼火を入れる。焼石のススを濾過する布も敷いてある。

店舗設計関係だから道具もすぐそろえば、芸も細かい。あとは掘るだけ。やれ掘れ! それ掘れ! しかし、予想できない事は何の場合でも起こる。焼石のススがなかなか落ちないのである。あれよあれよという間に水は真黒、それに雲行きも怪しい。それでも焚火班と運び屋は、火を燃やし石をセッセと運ぶ…水が人肌ほどの暖かさになった頃、遂にポツリ、ポツリと雨が落ちてきた。アワワ...と皆が顔を見合わせる。

 ところが、そこに団長の姿はなかった。どこへ行ったんだろう?と思う間もなくタオルを1枚巻いて素裸の団長が駆け降りてくるではないか!! 皆ヤンヤ、ヤンヤの大喝采である。自分の堀った風呂に入って帰る責任と実行の人、「団長は日本一!!」。

 即、酒が用意されて運ばれてくる。ぬるいはずだが口がさけてもそんな事は言わない。それより何より、人がついフラフラと従ってしまうカリスマ的笑顔をふりまく団長は

「ぬっかばい! 入らんな」

手作り露天風呂に入浴する中央青年団の団長さん。究極のアウトドア

とギャル達に呼びかけている。しかし、ギャルたちは笑って見ているだけ…。

 そこへまたタオルを1枚巻いただけの素裸男が上手の方から登場する。なんと、風邪気味だったといってキムチ鍋を平らげ、酒をしこたま飲んでテントの中で寝ていたはずの師匠ではないか。

普段はマンションメーカーのオーナーをしていて素面では無口だが、酒が入るほどに別人のように変化していく様が面白いと評判の人だ。師匠は根っからのお人好しで、団長1人に恥をかかせてなるものか! と犠牲的にやけくそ精神でやってきたのだ。

 早速、湯船に入ると団長とうまそうに酒を酌みかわす。実に気持ち良さそうだが、寒そうでもある。見かねたカバヤンが姉さんかぶりで三助をかってでる。バケツでお湯を汲んでは2人の背中に交互にかけてやる。

 雨は少しずつ本降りとなり、風呂の回りで盛り上がっていると、橋の上を通る車がトバシリを跳ねて通り過ぎていく。

それは風呂の中の2人を直撃し、団長は一瞬ムッとするが、それでもワイワイやっているとまた車がやってくる。今度は難なく通過していく。ホッとしていると、通過したはずの車がソロリ、ソロリとバックして来て橋の上で止まる。

一体何をやっている集団なんだ? としばらく観察している様子。盛り上がっている私たちは、それも笑いの種にしてますます盛り上がってしまった。見ている人にすれば、11月の雨の中、川の横に風呂のようなものを作って入っている男2人! それを取り囲んで笑っている集団… 狂気の沙汰と思われても何の不思議もない。いや、むしろその判断の方が正解だろう。

しかし、大の大人が真剣に遊んでいるのである。我を忘れてまるで子供のように、それだけで充分...。このイベントは大成功なのである。

 中央体育館の標語通り「来た時よりも美しく」をモットーとする我々中央青年団は、実にきれいに後で後片付けを済まして帰途についた。ちなみに団長も師匠も再度、自宅で入浴したらしいが、そのとき体についたススが出て湯船がみるみる真黒に変わったそうである。皆さんが試される時は、それなりに改善してくださいね。

 最後に、どこかで中央青年団のイベントを聞いたなら、是非一度参加してみませんか。

きっと童心に返れますよ!!

福岡・中央青年団 焚き火でマイム・マイムを踊る

▲焚き火のまわりで踊ってみたり…もする

以上「中央青年団・ギャル・バスツアー」より

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サイト管理人の感想

たっちゃんです。

これまで先輩方より「背振で露天風呂を作った。あれは楽しかった」という話は聞いておりましたが、まさかこんな◯◯なことをやっていた、いや至極真面目に「風呂作り」に取り組まれていたなんて、ハッハッハッハ...😂!! 声が出てしまうほど笑いました。

団長の身体を張った笑い。さすがです。

その一方で、私はこうも思いました。

この時代、場所も設備も安全性も担保されたキャンプ場で楽しんでいる大人達へ「その現場に居た1人1人が数十年経っても覚えている楽しいアウトドアって何なんでしょうね」と問うている、別な意味で言うならこの記事は「遊びの教本」になっていると感じずにはいられませんでした。

また、その当時にインターネットがあったなら、中央青年団の公式WEBサイトは大賑わい。YouTubeなどでは動画配信や生中継などして大盛況だったろうなと、とても残念に思うところでもありました。

最後に、何が面白いかは人それぞれですが、アウトドアを極めるとその先には露天風呂作りが待ってるのかも知れないなという気がします。

知らんけど..(^_^;)

ご注意:コンプライアンス的にどうたらこうたら言う人が居るようです。火の元には気をつけ違法にならない程度に遊びましょう。

2021年6月6日 記録

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